マイクロソフト社がInternet Explorer(IE)から、Edgeなど最新ブラウザに切り替えるよう呼び掛けています。
同社や関係者は最新ブラウザEdgeを展開するものの、法人を中心に、依然としてIEを使い続けるユーザーが多い点を憂慮。
「IEは現在でも動作するブラウザだが、セキュリティなどの観点から考慮すると、企業やIT担当者にとっては切り替えがより良い選択肢になり得る」との考えを示しています。
Chromiumの導入を決定する
マイクロソフトはただ「ブラウザを切り替えろ」と要求しているワケではありません。
同社は2018年に、自社ブラウザのEdgeにオープンソース型レンダリングエンジン「Chromium」を導入すると発表。「Chromium」は現在のメインストリームブラウザの1つである「Google Chrome」と同じエンジンであり、これまでWindows10でしか動作しなかったEdgeの動作環境を拡大させるものです。
Windows10でしか動作しなかったEdgeの問題を解決し、ユーザーにより良い選択肢を与え、旧式ブラウザと言うべきIEからの脱却を促していると評価できます。
IEでなければならないユーザーが存在する
マイクロソフトは2016年にIEのバージョンアップを終了しています。IEは現在こそ動作しますが、将来的なものを考慮すると、良い選択と言えないのは事実です。
しかし現実には、マイクロソフト社が考えた通りにブラウザ移行は進まないかもしれません。と言うのも、ユーザーの中には、
- セキュリティやブラウザに対する知識が無い個人ユーザー
- 他のブラウザに不満を持ちIEでなければならないと感じているユーザー
- IEでなければ動作しないアプリや開発環境を持つ法人ユーザー
上記のように、IEを使い続けるしかない層が存在します。
特にIE環境下での動作を前提とした高額なアプリケーションを購入した法人や、多額の費用を投じて自社開発を手掛けた法人にとって、切り替えは容易な決断ではないでしょう。
またウェブブラウザには、ChromeやFirefoxなど、IEやEdge以外の選択肢も存在します。(こうした選択肢があるにも関わらず)現在もなおIEを使い続けているユーザーは、これらを選択しなかった人たちです。
こうしたユーザーが同社の呼びかけにより切り替えに応じるかは、正直なところ未知数と言うしかないでしょう。
参照「Internet Explorer使わないで」開発元のマイクロソフトが警告/HUFFPOST
参照マイクロソフト、企業にInternet Explorerの使用をやめるよう要請。「IEは技術的負債もたらす」/Engadget日本版