画像:館林市より引用
群馬県館林市は2020年10月27日に、何者かによる同市市役所に対する爆破予告が行われ、ビットコインによる支払い請求を受けていた事実を明らかにしました。
館林市によると要求は市役所のメールアドレス宛に電子メールで行われ、館林市は2020年10月24日にこれを受信。出勤した担当者が2020年10月26日にメールを開封したところ「10月27日に館林市役所を爆破する」の件名とともに、時限爆弾や火炎放射器を使用し、職員や住民を殺害する意図や、犯行の取りやめと引き換えに334BTC(ビットコイン)の要求を示す本文が確認されたとしています。
なお、館林市はこれを受け、館林警察署に通報の上で庁舎の一時閉鎖を決定。厳戒態勢を敷きました。警戒は2020年10月27日の午後3時まで続きましたが、犯行を示唆する危険物などは見つからず、同日、通常業務への復帰を発表しました。
組織へ脅迫行為、海外犯行なら対策は困難か
自治体や企業への爆破予告は、特別目新しいものではありません。
過去には警察のネットワーク捜査により、犯行に手を染めた犯人が逮捕された事例もありました。しかし、これは爆破予告の犯人が国内に住む者であり、また、追跡可能な通信方法を用いていたからに過ぎません。
実は2020年9月以降、各自治体や組織に類似の犯行が数多く確認されています。例えば、埼玉県東松山市では2020年10月10日に同様の爆破予告が届いたほか、2020年10月25日には千葉県野田市にて同様の爆破予告が届いています。
館林市で起きた予告の特徴的な点は、仮想通貨であるビットコインを要求しているところです。ビットコインはランサムウェアによる要求通貨であり、(たとえイタズラに過ぎない規模のものであっても)国際的な犯行である可能性が否定できない状況です。
市役所の通常業務を再開しました(市役所に対する爆破予告への対応)