画像:THE NEWYORK TIMESより引用
米国報道メディアのニューヨークタイムズはこのほど、米国イリノイ州にあるリンカーンカレッジが2022年5月13日より閉校すると報じました。
情報によると、リンカーンカレッジは閉校理由に、新型コロナウイルスの蔓延とランサムウェア感染に伴う復旧費用の2つの要因を挙げています。同校は創立157年の歴史を持つ大学ですが、コロナの影響も加えた在学生の減少傾向に苦しんでいたところに、ランサムウェアによる被害が加わった形です。
発表によると、同校がランサムウェアによる被害を受けたのは2021年12月のことで、感染の影響からシステム暗号化された結果、大学の維持に必要な補助申請や資金調達活動などが制限される事態に陥りました。同校は攻撃者に対し10万ドル未満の身代金を支払い解決を図りましたが、復旧を得た2022年3月時点で運営に必要な資金を調達する見込みが立たず、閉校を決断したとしています。
脆弱性指摘される教育機関
米国セキュリティ機関のEmsisoft社は同大の閉校報道を受け、同国では教育機関に対するランサムウェア攻撃が激化していると指摘しています。
米国では2021年度中に1,043もの教育機関がランサムウェアによる被害受けています。同社は攻撃を受けた背景として、教育機関は一般的な企業に比べ古い機器を使用し続ける傾向にあるためセキュリティ的な脆弱性を内包しているケースが多く、攻撃者の標的になったと分析しています。
なお、同様の傾向は日本国内においても顕著であり、国内でも被害が懸念されます。
参照Lincoln College to Close, Hurt by Pandemic and Ransomware Attack/THE NEWYORK TIMES